Gone with the wind
風と共に去りぬ
アトランタと聞いて最初に思い浮かぶのが「風と共に去りぬ」である。作者がこの小説を執筆した家が、Margaret Mitchell House & Museumとしてアトランタの街中に残っている。いまさら説明するほどもなく有名な小説で、1936年に出版されると爆発的な人気を得て、聖書に次ぐベストセラーになり翌年にはピューリッツア賞を受賞している。映画は1939年初演で、空前の大ヒット作となる。これまでの全世界の観客動員数は約20億人と推定され歴代第一位だという。映画制作の背景やエピソードについては、「素晴らしき哉、クラシック映画!」さんが詳しく解説している。
主人公スカーレット・オハラ探しは"スカーレット・フィーバー"と呼ばれたほど全国で大々的に行われ、14歳以上の全てのハリウッド女優がスカーレット役に名乗りをあげる。キャサリン・ヘプバーン、ベティ・デイヴィス、ポーレット・ゴダード、ノーマ・シアラーらを含めて現役の女優121人が候補に上がり...(中略)...スカーレット役探しはハリウッドの女優だけでなく、無名の素人まで巻き込んだ文化的な盛り上がりを見せ、スカーレット役探しの費用だけで9万2,000ドルもかかり、総応募者数は1,400人、スクリーン・テストをした人数は90人、使用したフィルムはモノクロが4万2,000フィート、テクニカラーが1万3,000フィートにも及んだ。最終的にスカーレット役は、『嵐が丘』(39)を撮影中だった恋人のローレンス・オリビエを追ってイギリスからハリウッドにやって来た、アメリカでは無名のイギリス人女優ヴィヴィアン・リーが抜擢される。