April 30, 2009

感染予防策

携帯からネット情報を見た限りでは、日本のメディアも騒いでいる。新型ウィルスとしては弱毒型だというのが救いで、かつて世界中で4000万人が死亡したとされるスペイン風邪のような事態は避けられる可能性があるという。

しかし患者が大量に発生しパンデミックになると、世界的に社会・経済の機能が麻痺してしまい、過剰反応でパニックになる脅威があることに変わりはない。

自分が感染しないように注意を怠らないことが肝要だが、感染の疑いがあったとき第三者に感染させないようにすることも人間としての義務である。ネットでのウィルス感染と同じで、自分が加害者であることもある。

新型インフルエンザ対応策をしっかりと頭に入れて日常生活の中で実践すべきである。日ごろ忙しいといっている人ほど、非日常的な情報に疎く、反応が鈍くなるのでとくに注意すべきであろう。以下は政府のガイドラインである。

  • 信憑性のない情報やうわさに惑わされず、正確な情報を収集する。地元の状況について自治体から情報を集める。
  • 症状がある人はマスクをする。帰宅後や、不特定多数が触る物に触った後はかならず手を洗う。
  • 感染者、非感染者は互いになるべく近づかない。目安は2メートル。
  • 流行している地域に行かない。不要不急の外出は控える。外出時は公共交通機関の利用を避ける。
  • 症状がでてもあわてて病院にいかず、地元保健所の相談センタに電話し、その指示に従う。

感染爆発のリスク

090430b.jpg世界保健機構WHOは警戒レベルを、爆発手前のフェーズ5に上げた。アメリカで幼児が死亡したニュースが流れて一日後だ。世界が警戒すべき緊急度合いが高くなった。

今日娘が仕事でアメリカに出かけた。各地を転々とする2週間の出張の可否について相談を受けた。昨日朝の時点ではフェーズ4だった。

「大丈夫だろう。神経質になる必要はない。」と答えた。確率的には10年以内に癌や交通事故で死亡するより危険が少ないと思ったからだ。

私が各地を飛び回る当事者だったら迷いもなく出かける。危険を感知しリスクを判断できると思うからだ。

娘もそれくらいの判断ができると信じる。飛沫・接触により感染するということを理解し対応策を取る。人混みの中に出かけない。感染防止マスクをする。情報を迅速かつ正確に把握し、爆発が起きたときは三ヶ月籠城する。そのための準備をしておく...。

先を見て準備と対策をして、的確な情報把握と行動を取れば、危険を回避できる確率は高くなる。ビジネスと同じことだ。

そんな能書きを垂れたが、親の心情としては「出張中止」を勧めたい。娘の勤務先は「社員の判断」に任せているとのこと。責任逃れの予防線を張っている。

警 戒レベルがフェーズ5だという情報が一日早かったなら、「中止したほうが良い」と言っただろう。後悔が残る。一番心配しているのは母親だ。昨夜も、日本で の情報は遅いのでCNNや現地のニュースをネットで調べていた。フェーズ5になったことを今朝に知ったが、娘は空港へ向かった。2週間以内にパンデミック にならないことを祈る。

February 2, 2009

アメリカ発世界自動車危機

09020201.jpg過去80年間、世界一の座に君臨してきたGM帝国が崩壊の危機に立っている。売上げ16兆円、2007年販売台数は930万台を突破していた。その好調な 販売を支えたのは、SUVという多目的スポーツ車だ。一台800万円もするSUVを、ウォール街と手を組んで自動車ローン商品を作り、本来高価な車に手が 届かない人に売りつけていた。昨年9月バブルが消え、GMは経営破たん寸前に追い込まれた。

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January 18, 2009

キッシンジャ博士の2009予測

Henry_Kissinger.jpg
  1. オバマの人気は、1年はもつ
  2. オバマ政権は強い外交政策をとる
  3. 経済は今年前半は悪いが 後半は盛り返す
  4. ドルは今年後半にやや持ち直す
  5. 石油は今年後半には75ドル程度で安定する
  6. 中国で大掛かりな反政府運動は起きない
  7. 北朝鮮はますます国家としてやっていけなくなる
  8. 小規模なテロはあるかもしれないが大規模なテロは起きない
  9. アジアのアメリカ軍は現状を維持する
  10. 複雑で危険に満ちているが大きな機会に恵まれる年になる


イランは核兵器を持つか

  • イランが核兵器を持てばアメリカよりもロシア、インド、中国などが危険にさらされる
  • イランとの交渉に当たってはイラクとアフガニスタンの問題も含めなければならない
  • いずれの先進国も一つの革命国家が中東全域を支配することを許さないだろう

北朝鮮は崩壊するか

  • オバマがこれまで以上に努力しなければ北朝鮮の核保有が既成事実になり、中国、韓国、日本の安全保障政策を変えることになる
  • 二国間ではなく、六ヶ国協議を続けるのが良い
  • 北朝鮮崩壊があるとすれば、それはあっという間に起きる

ロシアはどうなる

  • 地政学的に見てロシアがアメリカと争うことはない
  • ロシアと中国が同盟を結ぶようなことはない
  • ロシアは人口が減りつづけ、崩壊に向かっている

June 23, 2007

100万人のキャンドルナイト

ある友人がコミュニティで、「100万人のキャンドルナイトを紹介していた。今日は夏至・・・。世界で共通の日を選んで、5年l前に「でんきを消してスローな夜を」という呼びかけで始まったそうである。アメリカでは「LOHAS」が話題になっていたときである。その後、日本でも、「ロハス」という言葉は普及したが、ロハスな生活が定着しているとはいえないだろう。

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October 3, 2006

世界の台風発生地図 Global Tropical Cyclone

英語版Wikipediaで、10月3日の「今日の写真」に選ばれた。1985年から2005年に発生した熱帯性低気圧の分布である。こうして地球規模で眺めると、台風が多く発生する地域が一目瞭然である。

August 5, 2006

104歳の女性が21回目の結婚

過去に保存しておいたRocketboomビデオニュースを見ていたら、表題のニュースがあった。

相手の男性は33歳の初婚だそうだ。男性は、「お金目当てではない」と いい、「互いの尊敬と友情が愛にかわった」といっている。
マレーシアのタブロイド版に載った記事だと、funnystoryが報じている。ちょっと変わったニュースを流しているウェブで、また二次情報なので話の真偽は不明である。

それにしても三倍以上もの年の差を越えた愛があるとすれば、それはそれですばらしいことである。しかも女性が年上のケースである。彼女のこれまでの20人の夫たちが生きているのかどうかは不明だともいっている。

July 23, 2006

ピロソポス Philosophos

ギリシャ語で「知恵を愛する人」という意味。古代ギリシャの哲学者ピュタゴラス(昔、算数で習ったのは『ピタゴラスの定理』だが、最近はピュタゴラスと訳しているようだ)が、20年におよぶ旅の末にイタリア南部のクロトンの地に落ち着いた。そこでピュタゴラス教団を設立し、「Philosophos ピロソポス」というコトバを作り出し、それによって教団の目標を明らかにした。

オリュンピア競技祭を見に行ったとき、プレイウスの僭主レオン公から、「貴殿は何を専門にしているのか?」とたずねられた。これに対してピュタゴラスは「私はピロソポスです」と答えたという。そんなコトバをはじめて聞いたレオン公に説明を求められて、ピュタゴラスは次のように答えた。

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July 11, 2006

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April 12, 2006

世界都市の「生活快適度」


世界的に著名な人事コンサルティング会社マーサーMERCERは10日、世界350以上の都市を対象に、「生活の快適度(Quality of Living)」に関する調査結果を発表した。昨年と同様、スイスのチューリヒが首位を維持し、次いで同国ジュネーブ、カナダのバンクーバーが追っている。

「ワースト3」は、イラクの首都バグダッド、中央アフリカ共和国の首都バンギ、コンゴ共和国の首都ブラザビルとなっている。

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January 3, 2006

Turning Leaf 2003 Reserve Cabernet Sauvignon

wine.jpg
カルフォルニア州モデスト産の赤ワインである。ここシリコンバレーのどの店にも置いてあるポピュラーなワイン。一本千円という手頃な値段で買える。体質的にアルコールには弱いが、酸味のあるちょっとフルーティなワインは好きである。食前にちびりちびり飲みながら料理をつくる。ほどよく酔いがまわり、これ以上飲むと眠ってしまいそうになる前にストップして、余ったグラスのワインを料理に使う。あるいは寝る前のゆったりとした時間の中でちびりちびり飲むのもいい。少しおなかが空いているときは、ちょっと甘みと酸味がほんのりとあるCountry Breadと一緒に口の中で溶け合わせて飲むとおいしい。量はワイングラス半分ぐらいでちょうど酔い加減となる。顔が火照り、まぶたが閉じそうになるとベッドにはいる。ぐっすりと寝て、窓からしのび入った朝日に目を覚めさせられる。夜10時に寝て朝は日の出の7時頃に起きる…そんな生活をしている。

October 7, 2005

高貧困率国家

日本が計画経済から市場経済に、弱肉強食の競争社会に着実に移行していく大きな流れは止まることがないであろう。日本で起きていることが、1980年代のアメリカで起きた。アメリカでは過去20年で貧富の差が大きくなった。日本も同じ道をたどるだろう…ということを今年の2月に書いた。

最近知ったのだが、今年2月にOECDが加盟国の貧困状況について比較調査した報告書がある。その中に「貧困率」という指標がある。これは国民の平均所得の半分しか所得のない人を「貧困者」として、国民全体の何%になるかを示すものである。これによると日本は加盟国中5番目の貧困国(先進国の中ではアメリカ、アイルランドに次ぐ3番目)である。

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August 9, 2005

赤い背中?原爆を背負い続けた60年?

 今夜のNHK特集「赤い背中」?原爆を背負い続けた60年?を見た。戦後はまだ終わっていないのだと実感し、自分の無知を恥じる思いをした。そして、多くの被爆者がなくなっていく時代、戦争を知らない平和な時代に生きたすべての日本人が原爆の恐怖や悲惨さを記憶にとどめ後世に伝えていく責務があるのだと思い知らされた。

[下記写真は米軍戦略爆撃調査団が長崎で撮影したフィルムから作成。戦後25年経って公開された]
 わたしは、日本と日本人の被爆体験に、これまで無関心であった。「日本人は歴史を知らない」とアメリカの友人たちに言われたことを何度か引用しているが、これからも自戒の言葉であり続ける。遠い昔、中学生のときに修学旅行で広島に立ち寄り、原爆ドームと記念公園を見学した記憶がある。しかし、それは原爆の怖ろしさを学ぶためでも被爆者たちが体験した地獄の実態を知るためでもなかった。おそらく引率の先生たちも被爆の実態をよく知らなかったのではないかと思う。広島・長崎の被爆者とその家族・友人・知人たちを除けば、ほとんどの日本人が被爆の恐ろしさと苦しみや悲しみを実感できなかっただろうし、またそのための知識も十分に与えられていなかったのだと思う。

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August 7, 2005

女性が世界を支配したら?

If Women Ruled The World #1
もし、女性が世界を支配したらどうなるか?
…ということを風刺した写真を見つけた!わが身に覚えのある人も多いのではないか?思わず苦笑するのは男性たちだけであろうか?

①Bathroomsへの行き先案内 ②大工道具の替わりに靴とナイフ ③トイレは座ってするもの

August 3, 2005

Actionの意味を問う

「PDCAを回す」と人は言う。計画(Plan)をして実行(Do)する。その結果をチェック(Check)してアクション(Action)を起こす......。当たり前のことを英語の頭文字で表現しているだけである。いまさら議論など無用...と思う人が多いかもしれない。しかし、日本人はこのPDCAの意味をどう理解しているのだろうか?「アクション」とは何なのか?「計画」とは何なのか?素朴な疑問を抱くようになった。発端は、経営の一端を担う幹部社員たちの「アクション項目を決めて実行しよう」という声とその後の結果にあった。経営品質向上を目指したかけ声、意気込みは大切なことであり、それがリーダーシップの現われでもある。

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南アフリカ連邦

南アフリカ連邦
人口4300万人のうち、
エイズ感染者530万人、薬を飲んでいるのは5万人
薬代は年間2万5千円、平均年収の半分
年間エイズ死者40万人


GNP3%
アフリカ経済の優等生
外国資本が進出
自動車・半導体が金や銀と並ぶ輸出品目となり経済を牽引
アパルトヘイト終焉後の急激な人口移動が大量の失業者を出した
ヨハネスブルグ郊外のスイートウォータ地区では6人に一人がエイズに感染

毎月4-5人が亡くなっている。

アメリカでエイズ患者が確認されたのは1981年 3年後に死者3000人

1995年 カプセル療法
治療費年間120万円
CIPLAコピー薬を製造開始
製造方法を変えれば特許に触れないという法律
マンデラ政権、薬事法改正
しかし先進国の製薬会社は反対
2001年人間の命を優先すべきだという国際世論に製薬会社は訴訟を取り下げた
それまでに40万人が亡くなった

知的財産をどこまで守るべきか?

貧しい人々の命は救われない
コピー薬の輸入や販売が特例として認められるようになった
しかし南アフリカはそれができなかった

1993年ブッシュ大統領は南アを訪れFTAに調印
アフリカ成長機会法
貿易の推進と関税引き下げと引き換えに知的財産の保護を強化
経済成長と引き換えに一握りの富裕層と大量の貧困層を生み出している!

アメリカが進めるFTAに継承を鳴らす学者もいる。
貧困層に犠牲を強いることになる。

8割が国土の2割の土地に閉じ込められ安い賃金で酷使されていた
1994年ネルソンマンデラ大統領
真実和解委員会
争いを避けあらゆる人々が平和に過ごす社会を築こうとした

失業率は30%以上
民主化以降むしろ増え続けている

格差が劇的に減少しなければ、我々は和解に別れを告げなければならない。

この国はいずれ地獄を見るでしょう。10年後には墓を掘る人もいなくなる。
横たわり苦しんでいる人がいても誰も助けることができません。なぜならその人も助けを必要としているのです。

グローバル化の問題は、強いものがゲームのルールを決めてしまうことです。

August 2, 2005

The Five Principles of Water 水五則

Moving of itself, water moves other things. Seeking always to move on its own path, water does not stop. Being pure itself, water cleanses filth of other things. Flowing over obstacles as they are encountered, water increases its power a hundredfold. Filling the great and boundless oceans, evaporating to moisture, becoming rain or changing into snow, and freezing to become a sparkling mirror, water still does not lose its basic nature.

般若波羅蜜多心経

昔読んだ本の中に「般若心経入門」がある。田舎生まれ育ちの私が大都会での生活に慣れず、鬱屈した日々から逃れるように山登りをしていた頃に買った記憶がある。子供時代に法要のたびに意味も分からないままにお坊さんや周りの人の声にあわせて唱えた「…色即是空。空即是色…」という有名なお経である。正しくは「般若波羅蜜多心経」というそうである。恥ずかしながら今もその内容の意味するところをよく知らない。

Amazonで調べたら、「般若心経入門―276文字が語る人生の知恵」、祥伝社黄金文庫、 松原 泰道 (著) という本があった。まさしくこの本である。20代の頃に買ったが正直いって内容がよくわからずに投げ出した。「松原 泰道」という著者の名前も知らなかったが、20世紀日本の碩学、生きる知恵を語る第一人者だということである。「諸行無常」、「生者必滅」、「因縁生起」、「諸法無我」…など仏教のこころを語る。

子供時代に祖父母に教わった「足るを知る」、アメリカで座右の銘のひとつであった「水五則」も、松原さんが禅から学ぶ人間の生き方として説いている。なんと私は無知であったのかと大いに反省している。この四半世紀のあいだ、「足るを知る」は森鴎外の「高瀬舟」のテーマである…と知ったかぶりで話してきた。「水五則」は、信州の山寺にある掛け軸に書いてある言葉だと、20年以上昔に見たTVドキュメンタリで知った記憶がある。それ以来の思い込みである。「知っている、分かっている、やっている」というのは傲慢さの証である…などと研修で話しているのが恥ずかしくなった。もっと謙虚にならなくてはとわが身を戒める。

July 28, 2005

ツーソンの怒れる祖母の会

米国アリゾナ州ツーソンに「ツーソンの怒れる祖母の会」というのがある。イラクに駐留している子供や孫が帰国できるように代わりにイラク行きを志願している人たちの集まりである。この会のメンバーであるベティ・シュローダーさんが、米軍新兵募集所に入ったことで不法侵入罪に問われた。彼女は74歳で、「年齢制限をオーバーしている」ためだった。戦争と家族の死を切実な問題として抱えているのがアメリカ市民である。あまりにも平和で享楽的な日本と日本人をどう考えればいいのだろう。

July 16, 2005

「漆黒の闇」と「時の終わり」

日本人は、世界の90%以上のひとたちより物質的には恵まれている。しかし、あのルワンダやアフガニスタン、イラクの子供たち、あるいは飢餓大陸にすむ子供たちの透き通った純粋な目を見ておもうのは、ひょっとしたら日本人は自然とともに生きる大切な心を失っているのではないか……ということである。

太古の昔から人間は、日の出とともに働き、日没を迎えてから夜の闇に立ち向かってきた。一日の始まりと終わりを実感しながら毎日を生きてきた。しかし、とくに都市部では一日の境界があいまいで、9 to 5のサラリーマンをのぞくと万人共通の一日の境界はなくなった。


「漆黒の闇」と「時の終わり」に触れることがなくなってしまった。闇夜を知らない子供たちは、「となりのととろ」を空想の世界として関心を示す。時の流れの区切りを知らない大人たちは、去り行く時間に恐れをいだき、駆けるだけの人生に焦燥感を抱く。静かな闇と向き合い、自然の声に耳を傾けることで豊かな感性と想像力を養い、、そして生きることの意味を問うべきではないでしょうか。

闇と向き合う事で養われてきた豊かな想像力が無くなって行くのは寂しいことです。
ときどき”時の終わり”…を見つめてみると良いかもしれません。

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戦争を知らない日本人

世界の先進国で平和な日本に生きる我々は、大変幸せな民族である。世界のいたるところで紛争やテロが発生している現実に目を向ければ、そのことに気づかせられるのではないか。失われた10年、不景気で失業率が5%、リストラの嵐に企業倒産……などといってメディアが騒いだ。しかし、それはバブル経済崩壊前との比較で言っているだけである。貧しく恵まれない世界の国々との比較で考えることも必要であろう。1945年、第二次世界大戦が終結して以後、戦争に巻き込まれていない国は、日本とスイスなど数えるほどしかない。今の日本人には、祖先の記憶がなくなってしまったとしか言いようがないのではないか。わたしも戦争を知らない世代である。身内や親類縁者、友人・知人を戦争で失った経験は、アメリカで体験したこと(911テロ)を除いて、日本ではない。

私をふくめた多くの日本人は、「戦争の現実を知らない」ということと「日本の歴史、とくに明治・大正から終戦にかけての歴史の真実を知らない」……ということに気がつくべきではないか。そのことを教えられたのは、アメリカの友人たちからであった。とくに経営やマーケティングをジョブキャリアとする彼らのほうがよく知っている事実に、わたしは素朴な疑問を抱いた。なぜなのだろう?学校で日本と世界の歴史は学んだはずだ。 

そして、もうひとつの疑問がある。戦後生まれの団塊の世代の多くが、70年安保やベトナム戦争の時代に、なぜ反戦闘争に身を投じたのか?悲惨な戦争の記憶がまったくないのにもかかわらず。わたしはどちらかというと柴田翔の「されど我らが日々」に描かれた諦観や虚無の世界の側であったが、それでも何度か反戦デモの隊列に加わった。当時の若者たちはどうしようもなく迸るエネルギーに満ち溢れていた。そんな燃えるようなエネルギーのはけ口を求めて、ことの是非も分からないままに行動していたのであろうか?

June 4, 2005

米IBMがLinux対応強化に1億ドル投資

米IBMがLinux対応強化に1億ドル投資 - nikkeibp.jp - IT

 米IBMは、コラボレーション・ソフトウエア製品群「IBM Workplace」のLinux対応強化のため今後3年間で1億ドルを投資する。IBM社が米国時間2月17日に発表したもの。独立系ソフトウエア・ベンダー(ISV)/販売チャネル/パートナ企業支援、研究開発、販売/マーケティング活動、技術/統合センター開設などを予定している。

 Workplaceは、企業の従業員がアプリケーションやデータを安全にアクセスし、共有および管理するためのクライアント・コンピューティング・モデル。各種製品、ツール、技術、ソリューションで構成する。さまざまなクライアント装置を対象にした業務アプリケーションおよびデータについて、集中管理、プロビジョニング、迅速な導入を可能とする。デスクトップ・パソコン、ノート・パソコン、販売店などの端末機、PDAや携帯電話機といった装置を想定している。

April 17, 2005

Henry Dyer「大日本」

昨日のNHKスペシャル明治第二集「模倣と独創」を見損なった。番組が終わる頃に気がついた。ちょうどHenry Dyer「大日本」(Dai Nippon, the Britain of the East:A Study in National Evolution、Blackie & son、1905)の言葉を引用していた。筆者が常日頃思うことを100年以上前に書いており、たいへん感銘を受けた。

『人々の生活を豊かにし充実させるためには、西洋の科学と文明を利用すべきだが、同時に、日本人の生活と品性の特質を持ち続け、その個性を失わないようにすべきである。…自らの過去を忘れ、独自の特質を棄ててしまうような国民は、真に偉大な国民となる資格がないし、またなれるものではないのである。』  Henry Dyer、「大日本」より

この言葉はいまの日本と日本人に警告していると考える。我々は、世界に誇れるすばらしい日本の文化・伝統を大切にし、後世に受け継ぐ努力をすべきであろう。それが日本が世界に誇れるアイデンティティとなる。

Henry Dyerは東京大学工学部の前身「工学大学校」の初代校長を務め、日本の工学教育制度の生みの親とも言える英国人である。弱冠24歳で選ばれて日本に赴任し初代都検(実質の校長)を務め10年間日本に滞在した。

Glasgow University and Japan

April 13, 2005

現実化する日本の孤立シナリオ

ベンチャー革命2005年4月10日
                           山本尚利
タイトル: 現実化する日本の孤立シナリオ

1.ピーター・シュワルツの恐るべき予言
 筆者の勤務する早稲田大学ビジネススクールにおいて筆者の講義のベースになっ
ているMOT(技術経営)方法論のひとつにシナリオ・アプローチがあります。筆者の所
属したSRI(元スタンフォード大学付属研究所)のフューチャリストであったピータ
ー・シュワルツは、1960年代、戦争の作戦計画手法であるシナリオ・アプローチを
企業戦略に応用した人物です。彼は1991年に"The Art of The Long View:
Planning for the Future in an Uncertain World"(注1)を出版し、90年代初頭に
シナリオ・アプローチによって15年後の2005年の世界を予言しています。彼は2005
年の世界を「新しい帝国」シナリオ、「市場の世界」シナリオ、および「進歩なき変
化」シナリオという3つのシナリオで記述しています。(これらのシナリオは1990年
の第一次湾岸戦争直後に描かれていると思われる。)

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February 11, 2005

対決(Confrontation)の薦め

対処方法の比較

対処方法
説明
対処結果
推奨
1 対決・対峙(confrontation) 事実調査に基づいて解決する。当事者がお互いに問題に正面から向き合い前向きに議論し、双方納得のうえで合意する。
Win-Win
2 妥協(compromise) 当事者が共に譲歩する。双方にとって満点の解決ではないにしても双方合意のうえ解決に至るので問題が再燃することは少ない。
?
3 鎮静(smoothing) 一時的に問題に目をつぶったり、争いを表面上、小さく扱ったりすること。再び対立が生じやすい。
Lose-Lose
×
4 撤退(withdrawal) 一方があきらめて話し合いを拒否する。
Lose-Lose
×
5 強制(forcing) 上司命令など、強制的に押しつける。片方が不満を持つ。
Win-Lose
×


PMBOK2000におけるコミュニケーションマネジメント

プロセス
主要成果物
説明
コミュニ
ケーション
計画
・コミュニケーション
マネジメント計画書
誰が、誰に、いつ、どのような情報をどのような手段で提供するかを決定する。例えば、会議体や個人スケジュール、プロジェクトの連絡事項の通知方法、議事録の作成者と配布・回覧方法の定義など。
情報配布 ・プロジェクト記録
・プロジェクト報告書
・プレゼンテーション
必要とされる情報を適切な手段で適切なタイミングで関係者に実際に提供するプロセス。ちなみにプロジェクト記録とは、連絡文書、議事録などのプロジェクト文書を指す。
実績報告 ・実績(進捗)報告書
・変更要求
プロジェクトの目標達成に向けて、どのように資源が使われており、どの程度達成されているかを関係者に知らせるための情報を収集し配布すること。
完了手続き ・プロジェクト公式記録
・プロジェクトの終了
プロジェクト、または、フェイズの目標達成、あるいは中断や中止による終了時に行う作業を指す。

October 11, 2004

Glass Ceiling ガラスの天井

Glass Ceilingという言葉がある。天井の向こうに青い空が見えているのに見えないガラスがあってそれ以上は近づけない。人と人の間にも透明のガラスがあって握手をしたくてもできない。お互いの顔が見えているのに。見えない障壁というのがある。アメリカの地域によって言葉の意味が違うことがあるが、マイノリティや女性に、目に見えない差別とキャリアの限界があることを指してglass ceilingといっている。

生まれ育ちや身分の上下なしに、だれでも平等に夢を追いかけ実現できるチャンスがアメリカ社会の中にあることは事実である。しかし、平等かというと、日本人が考える平等という概念とは違うように思う。アメリカでいう平等は、「法の下に平等」だということである。一般社会においては実に多くの偏見と差別が入り混じった不平等がある。だからこそ、法律に照らして基本的人権を守り、国民すべての公平さを確保しようとしているのだと思う。

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September 14, 2004

サッカー思い出の写真

以下の写真は、TV録画画面からキャプチャーしたもので、著作権はNHKほかの原著作者にあります。複製・再配布はできません。

サッカーの基本精神に学ぶ

ヒトラー政権下でのベルリンオリンピック大会。。日本は世界における存在感を高めるために、早稲田大学のサッカーチームを参加させることを決定した。当時、世界はおろか日本国内においてさえ対校試合をする機会さえなかった無名のチームが、忍び寄る軍国主義国家の威信を背負って世界の舞台で戦うことになった。選手のひとり、堀江はロンドンで発行されたガイドブックを読み、みんなで研究しながら対策を練った。しかし、素人ともいえるチームに勝つための妙案があるわけではなかった。初戦でぶつかるスウェーデンチームは優勝候補の強豪である。平均身長185cmの選手たちに、小柄な日本人選手がどう立ち向かえばよいのか。ただ、切れのいい小回りを駆使したショートパス戦法で対抗するしかないと思い定め、その練習にあけくれる。

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日本人は歴史を知らない?

「そんなことがあったんだ。日本人ってすごいなぁ……」と感心するようなことをこの年になって知ったというのが多い。単にわたしの勉強不足に過ぎないのかもしれないが。ただ、「日本人は歴史を知らない」といったのは、アメリカのビジネスマンたちである。ひとりではなく何人もの人からそんな話を聞いた。もちろん、あるときから私自身も意識してその話を持ち出して聞くようにした。最初の頃はショックであった。自分のことを指摘されているのかとも思った。海外生活をすると自己嫌悪に陥るようなことにも気づく。そのひとつが、「日本人でありながら、日本のこと日本人のこと、歴史・文化・風土にいろんな行事、仏教・神道・禅、歌舞伎に能楽、浄瑠璃、茶道や華道などなど……。英語以前に日本語で説明することさえままならないことに気づくでしょう。説明をもとめられているというより、あいては素朴に質問しているだけなのに、どういっていいのか分からず口をパクパク……と恥ずかしい思いをいやというほどしたものである。これほど自己嫌悪に陥ることはなかった。若いセクレタリーに”I hate myself”と変な英語で説明しようとすると、"You have mental problem"といったかどうか忘れたが、とにかく「自分を憎むということは精神的におかしいことだわ」といいたかったんだろうと解釈して、ますます自己嫌悪に陥った思い出がある。いまは、「思い出」となって懐かしくはあるが。

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September 12, 2004

サッカー奇跡の逆転

先週のNHK番組「その時歴史は」で放送された「奇跡の逆転」を見た。今から72年前のベルリンオリンピック大会で日本の弱小サッカーチームが優勝候補のスウェーデンを破った歴史に残る一戦である。当時、ヨーロッパで大きな話題となり日本の存在感を世界に示したものである。そんな歴史的事件とも言うべきことを、今日の多くの日本人は知らない。なぜなのか?番組では、「戦後GHQがアメリカの人気スポーツである野球を奨励したから……」と言葉を濁したような言い方をしていたのが気になった。私も、この奇跡の逆転をどこかで聞いたような気もするが知らなかったというのが正直なところである。すくなくとも小学校から大学までの教育課程の中で習った記憶はない。同じ戦前の話で、野球の沢村投手の伝説的な話はよく耳にしたが。

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