今年は金融危機、原材料高騰、食料危機、食の偽装、そして振り込め詐欺など
の話題が多かったようだ。昨年一年を表す漢字は「偽」だったが、今年も「
偽」が横行している。自分の身は自分で守らないといけない時代だ。
振り込め詐欺については過去何度も話題になり注意が呼びかけられてきたが、今年また増加傾向にある。先月のメモをみると、今年1〜10月だけで251億円
の被害があったそうだ。
一日8200万円だ!
振り込め詐欺の事例
警視庁ホームページで詐欺の手口、事例を掲載している。わかりやすいので一読するとよい。実際の電話の録音も聞ける。
あなたなら見破れますか?振り込め詐欺の手口
- 事例1 「携帯替えた」「使い込み」「98万円」の波状攻撃
- 事例2 「え?うちの夫がちかんだなんて...」
- 事例3 「お母さん、このままだと何されるか分からないよ...」
- 実録 息子を装った振り込め詐欺犯人!
- 実録 複数の声色を演じ分ける振り込め詐欺犯人!
他人事ではなくいつ自分の身に振りかかるか分からない。とくにお年寄りが狙われやすい。ある人のお父さんは数回にわたって1000万円の被害にあってい
る。
中国を拠点にした詐欺グループ
電話帳に電話番号が掲載されている、一人暮らしで、ATMを使い慣れていない、携帯を持っている・・・といった条件にあう人を組織的に探し出す。犯罪グ
ループは日本でアルバイトを雇って、法的規制の緩い中国・福州に送り込み、一部屋に缶詰にして日本に電話をかけさせる。
ターゲットが特定されると、別の人間が「税金や保険の還付金を振り込むので口座番号を教えてほしい。ATMで直接振り込むから・・・」などと巧みに誘導す
る。ATMでの振り込み方を携帯から「親切に」おしえてくれる。
そういう
詐欺を成功させるための詳細なプロセス・マニアルが用意されているという。先月、あ
る民放の特別番組で放送していた。プロセスと役割重視の仕事のやり方をみごとに実行している。「営業研修」で話すよりもわかりやすい事例だ(苦笑)
詐欺防止キャンペーン
先月半ばから、 NHKが「振り込め詐欺防止キャンペーン」を実施している。萩本欽一とあき竹城がそれぞれ被害防止を呼びかけるミニ番組を流している。報
道・情報番組では、NHKでも民放でも何回も取り上げられている。
今夜のクローズアップ現代では、途中からしかみなかったが、神奈川県警の新しい捜査方法を紹介していた。
口座売買・誘き出し捜査
インターネット上では、「口座の売買」が盛んに行われている。もちろん違法だが、お金が欲しいひとが自分の口座を売って、譲り渡し料を受け取っている。これを買うのが詐欺グループではないかということに目をつけて実際に犯人グループを見つけ逮捕したということだ。
警察が「口座を売る」と書き込みをするわけにはいかないが、口座を買いたいと書き込んだ人物に接触を試みて話したら、「50枠は買わない。250枠なら
25,000円で買うといってきた。50枠とは、ATMでの一日の引き出し限度額が50万円のこと。情報警察官が、横浜駅前で当人と待ち合わせ、任意同行
を求めたということだ。
起訴された中河被告の自供にもとづいて、「引き出し役」、「だまし役」、そして主犯格の犯人まで逮捕できたという。日本で初めてのケースで、ほかの警察で
も採用できないかと検討しているそうだ。
※ネットの掲示板で「口座を買います売ります」といった書き込みをすると、犯罪収益移転防止法違反(誘引など)に問われます。先月、警視庁に逮捕された好川容疑者は、ネットで通帳を4〜5万円で仕入れて7万円で約130通を売ったとのこと。売られた口座で、約450万円の振り込め詐欺の被害が確認されている。