大学の役割と人材育成への視点
東京大学総長の就任に際しての挨拶で小宮山浩さんは、「大学の使命は、言うまでもなく教育と研究にあります」と言い切っておられる。ホームページで公開されているメッセージ(総長あいさつ)を見ると、小宮山さんは21世紀が求める人材像について、「世界の先進大学として、知を産み出し続けてきた東京大学は、(中略)時代の困難に対する戦いの先頭に立つ人材を育みたいと考えている。」として、具体的には、「知識の洪水に流されない『本質を捉える知』、独善に陥らない『他者を感じる力』、そして、『先頭に立つ勇気』を備えた、21世紀が求める人材が育つ場でありたいと決意しております。」 と強い決意を表明されている。
一方、東北大学、岩手県立大学の学長を経験された後、この4月から首都大学東京の学長に就任された西澤潤一さんは、「地元が欲する人物を養成する目的で、地元が設立した。そして今、日本やアジア全体が都市化に狂奔している時期にあたって、人間的で効率的な新しい都市構成を形成させるべき人材の養成と手法の向上に努めるべき」と、その就任挨拶で述べておられ、公立大学の役割と人材育成への視点を明確にされている。