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『若手経営幹部が育つ当り前の方法』

・・・さて、皆さんにさっそく質問です。

(1)自分が働いている会社の創業者と創業理念をご存知ですか?

(2)社長や役員、部下や上司の姓名を漢字で正確に書けますか?

(3)週に1日(休日)は8時間以上の勉強をしていますか?

(4)常務と部長、課長と係長の仕事の違いを説明できますか?

(5)現職の課長がどうして考課者訓練に参加するのですか?

これらは、研修やセミナーで実際に尋ねている質問です。

どうでしょう、自分の会社の社長や役員、部下や上司の姓名ぐらい
は社内のリーダー(管理職)であれば、漢字で正確に書いて欲しい
と思いませんか?

自分が所属する組織に誇りを持っていれば、創業者や社長、役員や
部下、上司の事、あるいは会社の事や社史などについて、もっと知
りたくなり、営業先など外部で自慢したくなるのではないかと私は
普通に思います。

これが「愛社精神」ではないでしょうか。

また企業の規模に関係なく、自分が所属している組織や仲間を誇り
に思える事が社員に求められる当り前の基本精神なのだと、人事や
現場の幹部社員が、若い社員に普段から徹底的に指導しているでし
ょうか?

たとえ自社の若い社員を、将来の経営幹部として本気で育てる気が
あったとしても、現在の幹部社員が組織に誇りを持って働いていな
ければ、若い社員の育成は不可能なのです。

また、日々の仕事が忙しい中でも、幹部社員がリーダーとなって、
若い社員のため、自己啓発としての勉強会や社内研修を自ら企画し
て、プロの仕事の基本知識や心得を指導しようとする、その幹部社
員の背中を見せるだけで、若い社員に大きな影響を与えます。

これが最高のOJT(On the Job Training)になるのです。

普段から幹部社員を中心に社員全員が、当り前に自己啓発している、
そんな企業風土さえあれば、わざわざ階層別研修やOJT、考課者
訓練などという、あまり効果も期待できないような研修は、もうす
べて不要になるのではないでしょうか。


・・・では、次の質問はどうでしょうか?

有名なあるテーマパークでは、アルバイトの茶髪やピアス、髪型な
ど、相当厳しいルールがあるそうです。

それなのに、他のサービス分野の企業やテーマパークでは、スタッ
フにそこまで徹底して完璧なマナーを指導していないところも結構
多いものです。

銀行の窓口でも、ホテルでも、茶髪やピアスを嫌がるお客様が来店
するのではないでしょうか。

もし、皆さんがサービスを売りにする企業の社長や人事だった場合、
たかが茶髪ぐらいはと見逃しますか?それとも、完璧なマナーを目
指して、レベルの高い指導を考えますか?

仕事の現場に、たった一人、優秀な若いリーダーがいれば、その若
いリーダーが、ごく普通に仕事をしているだけで、他の社員の模範
となって、きっと上記のようなマナーの問題もすぐに解決する事で
しょう。

これは新入社員の頃から、経営幹部(リーダー)の心得について、
基本からしっかり指導を受けた若い社員が現場で活躍している企業
では、その一人の若者の行動だけで、連鎖的に他の社員にも良い影
響を与えるのです。

そして最後に、人財育成部門が独立していない中小中堅企業の人事
担当の皆さんに、私が指導している事があります。

それは、

「人事管理や労務管理のスキルと、若手経営幹部の採用企画や育成
企画のスキルとは、全く違う能力(人間力・指導力・企画力)が求
められていますので、できれば人事の皆さんが若手経営幹部育成の
ための戦略立案や採用企画、若手リーダー育成企画の責任者として、
決して仕切らないほうが良いかもしれませんね」

と、アドバイスするのです。

社員を経営幹部(リーダー)に育てるためには、実質は中小中堅企
業でも大手企業同様、人事管理部門とは別の独立組織を設け、若手
経営幹部の育成戦略のための人財育成コーデネートが可能な「組織
横断型の社内プロジェクト」を発足します。

そしてまず始めに、そのプロジェクトリーダーと若手メンバーを社
内公募したら良いと考えます。

当然、現在の仕事と兼務という厳しい条件で構いません。在籍年数
や役職、年齢も不問にし、全社員に立候補の意志を確認します。

さて、社内から何人の立候補者が出てくるでしょうか。

まず立候補した社員には、すぐに経営幹部として必要なリーダーの
心得と、社内人財育成システムの企画コーディネーターとしての基
本知識を教育する事で、最初の経営幹部候補(リーダー)が誕生し
ます。

もし立候補がゼロだった場合、それは企業として組織として、最も
重要な危機が訪れているという事になってしまいます。

社員全員リストラ?
それとも、全社員に「鬼のリーダーシップ研修」ですか・・・?

早田 和弘(はやた かずひろ)
有限会社まなび企画 特別顧問

1959年生まれ。同志社大学経済学部卒。若手リーダーの育成支
援を得意とする人事教育コンサルタント。大手監査法人系コンサル
ティングファームで、若くしてプロジェクトリーダーで活躍後、全
社の人財育成本部責任者として、若手リーダーの早期育成指導を担
当。32歳で独立後、大手進学塾の人事評価制度の構築、ビジネス
系専門学校の学科長を経て、企業や大学、専門学校へのビジネスリ
ーダー指導システムの導入支援、企業研修やビジネススクールのプ
ロデュース、20代の起業家(サービス系ベンチャー企業)の経営
アドバイザー、ビジネス系専門学校(実践ビジネス論)の講師とし
て現在活躍中。
「一瞬で、即戦力になれる法」
早田さんが7年間指導した若手経営者が書いた本です。

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