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38億年前の生命の痕跡

国土の80%以上が氷に覆われているグリーンランドのイスア地方……イスアとは、「大地が果てて氷に変わる場所」という意味である。地球の中で最も古い岩石地帯として知られている。ここにある、38億年前というきわめて古い岩石から、太古の生命の痕跡が見つかった。発見者は、デンマーク地質博物館のミニック・ロージング博士である。

畳半分ほどの小さな岩…これこそが現在見つかっている最も古い生命の痕跡である。幅30cmほどの黒い部分…ここに世界の研究者たちの熱い視線が注がれている。しかし、どんなに目を凝らしても生物の化石が見えるわけではない。



その生命は顕微鏡サイズであった。倍率を上げると黒い粒が無数に見えてくる。これは炭素の粒で、分析の結果38億年前の生物の体を作っていた材料らしいと分かった。体長は1ミリの百分の一以下、現在のバクテリアに似た微生物だったとロージング博士は推定している。


38億年前、そこは水深数百メートルの静かな海の底だったと考えられている。水中を漂うようにしてその生物は暮らしていた。海中の炭素を含む栄養分を取り込み体を作っていたと考えられている。


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