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イタリア幻想曲

内田康夫原作の推理小説の題名である。同氏の本のほとんどが旅と歴史を下敷きにしているので、推理だけでなく舞台となった土地と郷土史、伝統、文化、そしてそこに暮らす人々の背負っていることなども学べるので楽しい。
  Montefioralle


登場人物は創作ではあるが、取材旅行で知り合った実在の人物をモデルにしたり、時として実名をそのまま拝借したりすることがある。土地にまつわる話も、裏づけとなる歴史をしっかり調べて書いているので参考になる。

そんなわけで架空の話なのに、あたかも現実にあったような話が展開するので、読者も「殺人事件」が起きた土地を訪ね、「事件の関係者」にあってみたい気になってくる。

この小説でも、実在のリストランテと若女将が登場する。「事件」が起きた年の10月に赤ちゃんが生まれる予定だという記述があるが、それも事実である。

歴史からのネタは「聖骸布」と「ダ・ヴィンチ」、海外で跋扈した日本赤軍、1974年のパリ事件やハーグ事件、フェルメール盗難事件などを背景に巧みなストーリが展開する。

「推理小説」としての意外性はないが、旅と歴史の読み物として楽しい。読後の余韻を味わいながら、小説の舞台となった土地や歴史を思いを馳せ、架空と現実の間に揺れるのが楽しいものだ。


大きな地図で見る

自分もいつかその土地を訪れたいと思い、架空の旅の計画をするのがまた楽しい。数年前から地図と文書、写真、動画などのマッシュアップがかんたんにできる ようになったので、自分が思い描く旅の経路を地図上につくる。要所要所で、世界の誰かが撮った写真を参照し、いつか訪問することがあったときは自分もこん な写真を撮りたい...などと思う。

イタリアは、仕事でミラノやトリノに行ったことはあるが、個人的に旅をしたことはない。機会があれば最初に行きたいのがフィレンツェである。30年前に知 り合った人(米フェルミ研究所)がフィレンツェ出身で、その頃から話を聞いて行きたくなった。当時は知識不足で、フィレンツェとフローレンスが同じでル ネッサンス発祥の地だということさえ分っていなかった。

その後、アメリカで初めて採用した女性がイタリア系二世で彼女の両親から故郷のイタリアの話をよく聞くようになった。旅のお薦めは、やはりフィレンツェだった。そして私が都会よりも自然豊かな田舎が好きなことを知って進めてくれたのがトスカーナ地方ののんびり旅だった。

トスカーナという名前は知っていたが、どんな土地柄でどんな歴史に彩られ、どんな人々が暮らしているのか、全く知識がなかった。それはいまも同じようなも のだが、「イタリア幻想曲」を読んで、少しずつ輪郭が見えてきた。Google Mapを見ながら、旅の計画を思い描いた。
  1. 空路Veneziaに到着(3泊)
  2. 海上都市ベニス観光
  3. Venezia-Bologna (車158KM 、1時間54分)
  4. ボローニャ経由カシャーナアルテ(4泊) Bologna-Casciana Alta  (車175KM 、2時間15分)  
  5. Casciana Terme温泉(散歩30分) Montefioralle(Firenzeから28KM、37分)
  6. ピサの斜塔 Casciana-Pisa (車36KM 、44分)
  7. ヴィンチ村~フィレンツェ観光 Casciana-Firenze (車77KM 、1時間24分) ~Vinci(50KM 、56分)~Firenze(43KM 、55分)
  8. Casciana-Siena (車102KM 、1時間47分) ~Rome(233KM、2時間46分)
  9. ローマ市内観光(3泊)

   
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