BlogとBloggerの潮流
BlogとBloggerの潮流が日本にも押し寄せてきた。米国ではblogベンチャー企業が生まれて5年になる。知識の共有が雪だるま式に進んでおり、その潜在的な社会・経済への影響と波及効果に企業も気がつきつつある。かつてInternetの商用価値に気がついたのと同じ状況が生まれつつあるともいわれる。米国の大統領選のキャンペーンでも、bloggerの影響力を無視できなくなっている。日本では、Niftyが「ココロゴ」の名前でサービスを開始し、日本のYahooやMSNでも試行を開始した。日立は全社での知識共有にblogの活用を決めた。Googleがblog草分け企業のひとつであるblogger.comを買収したことを見ても、いまや検索エンジンだけが活躍する時代を超えようとしていることがわかる。
米国が発信基地として世界に普及しつつある。その兆しは1980年代後半にあり、CompuServeやUsenetなどでいわゆる「オタク(guru)」が個人の意見を発信したり、研究者・技術者たちがネット上で議論したり、意見を交換するのに活用。オープン化の波で相互接続性を確保したり、新技術の標準化(Unix,X-Window, Phigsなど)を図るためにも活用された。もちろん、今日のblogソフトやblogサイトと比較すると、当時(筆者のブログ体験)はテクストのみで機能的にかなり制限されていた。ForumやCB、newsgroup、mailing list(メルマガ)などで、"blog"と言う言葉が普及し始めたのは90年代後半になってからである。新しい言葉になったということではない。単なるホームページでも個人日記でもない。従来のForumやDiscussion groupとも違う。
決定的な違いは、Internet普及により利用者が急増し、学生や主婦などを含む一般のひとが数多く利用するようになったことであり、内容が頻繁に、ときには毎日のように書き加えられることである。しかも、それらが互いにリンクし合い、世界の情報が、ものすごい勢いで網の目のごとく結ばれ増殖している。さらに特筆すべきは、こうした情報を介して見知らぬ人たちが知り合い助け合っていることである。組織の壁とか国境とか人種の違い、時間と空間を超えて、見えない情報が飛び交い、結ばれ、知識となり、そして知恵を生んでいる。
この状況をいち早く察知した(あるいは先駆者となった)先見性のあるプロフェッショナルたちがそれまで以上に活用するようになった。なぜか?自分の意見を世の中に問う。あるいは、自分が集めた世界の情報をある視点で整理する。新しい発見や違った発想が生まれる。そこから新しいビジネスや生活スタイルが生まれる。しかし、自分だけの情報で自分だけが活用しようとしても限界がある。Internetを通して広く世の中に公表すると、google, yahooなどの検索エンジンで見つけた人が関心を持って読む。質問がくる。関係した情報があるサイトを教えてくれる。bloggerはこうして彼らに助けられて自分だけでは見つけられなかった有意な情報にたどり着ける。そして、自宅・オフィス・旅先、どこにいても、自分と似た関心・興味を持った人たちとコミュニケーションをとり、対話(dialog)ができる。
そして、そこにベンチャーキャピタリストや起業家が目をつけ投資が始まる。安価なblogソフトができ、これを使ったblogサイトが無料で提供されるようになる。米国で急速に普及が進んだのは、2000年を境にしてからである。とくに2001年9月の同時多発テロ発生後、衝撃的な事件のニュースや家族と関係者の安否確認を求める一般の人たちがWeb上の記録(Log)にアクセスすると同時に情報の発信と交換を活発にするようになったのが爆発的な普及を促す要因であったといわれる。筆者は1995年からシリコンバレーに住み、当時はInternet関連のベンチャー企業のBoardも兼務しており、多くの米国ハイテク企業の栄枯盛衰を目の当たりにした。9・11にも遭遇した。知人が事件の被害にあった。友人のアフガニスタン系アメリカ人が白い目で見られた。異常事態の中で偏見が表に出てくる現実も知った。公私共にじつにエクサイティングな時代であった。その話は別のテーマとして、以下では株バブル崩壊、ベンチャー資金の停滞の苦難を乗り越え生き残ってきた、あるいはバブル崩壊以降に生まれたblog関連企業を見てみよう。
(つづく)
www.silkware.com Home
Movable Type Publishing Platform
dollarshort.org
Salon.com Technology Blogging grows up
Mena's Corner
Six Log Six Apart Japan
Blogger Forum - Blogging help, tips, Blogger support, and blog forum
決定的な違いは、Internet普及により利用者が急増し、学生や主婦などを含む一般のひとが数多く利用するようになったことであり、内容が頻繁に、ときには毎日のように書き加えられることである。しかも、それらが互いにリンクし合い、世界の情報が、ものすごい勢いで網の目のごとく結ばれ増殖している。さらに特筆すべきは、こうした情報を介して見知らぬ人たちが知り合い助け合っていることである。組織の壁とか国境とか人種の違い、時間と空間を超えて、見えない情報が飛び交い、結ばれ、知識となり、そして知恵を生んでいる。
この状況をいち早く察知した(あるいは先駆者となった)先見性のあるプロフェッショナルたちがそれまで以上に活用するようになった。なぜか?自分の意見を世の中に問う。あるいは、自分が集めた世界の情報をある視点で整理する。新しい発見や違った発想が生まれる。そこから新しいビジネスや生活スタイルが生まれる。しかし、自分だけの情報で自分だけが活用しようとしても限界がある。Internetを通して広く世の中に公表すると、google, yahooなどの検索エンジンで見つけた人が関心を持って読む。質問がくる。関係した情報があるサイトを教えてくれる。bloggerはこうして彼らに助けられて自分だけでは見つけられなかった有意な情報にたどり着ける。そして、自宅・オフィス・旅先、どこにいても、自分と似た関心・興味を持った人たちとコミュニケーションをとり、対話(dialog)ができる。
そして、そこにベンチャーキャピタリストや起業家が目をつけ投資が始まる。安価なblogソフトができ、これを使ったblogサイトが無料で提供されるようになる。米国で急速に普及が進んだのは、2000年を境にしてからである。とくに2001年9月の同時多発テロ発生後、衝撃的な事件のニュースや家族と関係者の安否確認を求める一般の人たちがWeb上の記録(Log)にアクセスすると同時に情報の発信と交換を活発にするようになったのが爆発的な普及を促す要因であったといわれる。筆者は1995年からシリコンバレーに住み、当時はInternet関連のベンチャー企業のBoardも兼務しており、多くの米国ハイテク企業の栄枯盛衰を目の当たりにした。9・11にも遭遇した。知人が事件の被害にあった。友人のアフガニスタン系アメリカ人が白い目で見られた。異常事態の中で偏見が表に出てくる現実も知った。公私共にじつにエクサイティングな時代であった。その話は別のテーマとして、以下では株バブル崩壊、ベンチャー資金の停滞の苦難を乗り越え生き残ってきた、あるいはバブル崩壊以降に生まれたblog関連企業を見てみよう。
(つづく)
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閑話休題
わたしの下手な講釈よりも、日本で急増するbloggerたちに聞いたほうが早く理解が深まる。たとえば、「日記とブログの違い」について、つぎのblogger二人の説明がわかりやすいので引用させてもらう。
「日記は「閉じた空間」というイメージ。自分の思ってることを時系列に書き綴る点ではblogとの違いはない。しかし日記を見る第3者に対しての意識が日記は弱く、自分の日記に対して意見が欲しいという姿勢は存在しない。 この二つの意見は「モブログってなに?」という名のbloggerが有識者と思われる人のBlogから引用したものです。それをわたしがまた引用している。そのきっかけは、この原稿を書き始めて、「米国での経験ベースだけでなく、現在の日本のBlog事情を知る必要がある」と思い立ったことである。わたしの独り善がりにならないように、他の人の意見を聴く、という意識と(仮想世界での)行動がきっかけで、この原稿を書くスピードが飛躍的に早くなる一例でもある。 日本のISPやポータル系、独立系のブログサービスが昨年から急増している。ホスティング型ブログサービス比較表を作成したので参照されたい。この表は、「いかんともしがたい」という名前のbloggerのblogから拝借して編集したものであり、このほかにもいくつかの比較や使い勝手の評価をしたblogが存在する。 ■専門的な知識がなくとも登録すればすぐに使えることが出来る無料サービスのリンク集Bloggerの解説や無料で使えるBlogger用ソフト・ツールもBlogコミュニティに存在する。Bloggerたちのリストを作っている人もいる。たとえば、「風の便り」さんのblog情報が参考になる。 |
[最終更新日 2004.07.25]