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人間は相手によって言動を変え異なるアイデンティティを提示する

Erving Goffman: The Presentation of Self in Everyday Life

大変興味深い記事である。昔、20代の頃であるが「われわれは心の中に七つの人格を持っている」といった心理学上の示唆に富んだ話を聞いたことがある。それ以来、このことをよく思い出す。このGoffmanのことはこれまで知らなかったが、つぎの伊藤さん(ネオテニー創業者)の昨年のブログJoi Ito's Web - JP: ブロガーの壁と多面性の崩壊、および魔法の数字150についてから知った。


彼が言っていることは、人間の多面性であるが、「七つの人格」と合い通じるものである。機会があれば、これについて言及したいと思う。伊藤さんが言っている「ブロガーの壁と多面性の崩壊」はまったくそのとおりである。も十数年前のことであるが、「パソコン通信」の時代に私も経験した。

それまでになかった仮想世界の中で、人間の心の中の人格がどんな影響をうけ変容するのか?大きな社会学上のテーマでもある。90年代後半、インターネット人口が爆発的に増大し、その世界を知った人たちの社会的振る舞いが米国で問題になった。ちょうどその時、わたしが担当していた会社の一部門がオンラインコミュニティ事業(Virtual World)を展開しており、MIT Sloan Schoolの研究者がVirtual Worldの住民たちの振る舞いを題材に研究したいというので協力したことがある。別の機会に紹介したいと思うが、現実と仮想の世界が混乱し自分がどちらの世界の話をしているのかが分からなくなり心理的葛藤に苦しめられるといったようなことがおきていた。仮想世界の出来事を現実とおもって、それが現実の世界での言動と行動にあらわれることもある。そうした人と直接話をして私自身驚いたことがある。