The History of Valentine's Day
きょうはバレンタイン・デーである。日本では、クリスマスと同じようにたくましい商魂が全国的な行事にしたてあげた。それにしても、「女性が好きな男性にチョコレートを贈る日」とした人の戦略性には敬服する。しかし、いつのまにか「好きな」が不必要になって、「義理チョコ」がまかり通るようになったのも商魂ゆえか、それとも職場であからさまに目当ての男性だけに贈るのははばかれると思う日本女性の奥ゆかしさからか?…などと考えるのは古い時代の人間だけだろう。いまや、この日に関係なく人目もはばからずチョコレートでベトベトした気持ち悪さが東京周辺で横行しているのも現実である。
そもそも欧米では「聖バレンタイン」とは何者で、「バレンタイン・デー」にはどういう謂れがあるのか?The History Channelでは以下のように解説している。
昔から、2月はロマンスの月であり、St. Valentine's Dayはキリスト教徒や古代ローマ人の伝統の名残であることを知っている。今日カソリック教会ではValentineまたはValentinusという名前の聖人がすくなくとも三人いて、いずれも殉教者である。
ある伝説では、紀元三世紀のローマ時代の牧師だったという。当時の皇帝クラウディウス二世が、独身男性のほうが妻帯者よりも優秀な兵士になると考え、若者の結婚を禁止しようとした。バレンタインは皇帝の意思に逆らって、若い恋人たちの結婚を秘密裏に祝福することを止めなかった。このバレンタインの行為が皇帝の怒りにふれ彼は処刑された。
伝説によれば、最初の「バレンタイン」のカードは彼自身が贈ったものだという。彼が牢獄に入れられているときに看守の娘と恋に落ち、この恋人に送った手紙に"From your Valentine"と署名したことが現在まで伝えられたといわれる。
バレンタイン伝説の背後にある事実は暗い(murky)ものであるが、彼の行為は人々の同情を誘い、英雄的でロマンティックであった。中世の時代を通じてイギリスやフランスでは最も人気のある聖人の一人であったことは当然であろう。