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「漆黒の闇」と「時の終わり」

日本人は、世界の90%以上のひとたちより物質的には恵まれている。しかし、あのルワンダやアフガニスタン、イラクの子供たち、あるいは飢餓大陸にすむ子供たちの透き通った純粋な目を見ておもうのは、ひょっとしたら日本人は自然とともに生きる大切な心を失っているのではないか……ということである。

太古の昔から人間は、日の出とともに働き、日没を迎えてから夜の闇に立ち向かってきた。一日の始まりと終わりを実感しながら毎日を生きてきた。しかし、とくに都市部では一日の境界があいまいで、9 to 5のサラリーマンをのぞくと万人共通の一日の境界はなくなった。


「漆黒の闇」と「時の終わり」に触れることがなくなってしまった。闇夜を知らない子供たちは、「となりのととろ」を空想の世界として関心を示す。時の流れの区切りを知らない大人たちは、去り行く時間に恐れをいだき、駆けるだけの人生に焦燥感を抱く。静かな闇と向き合い、自然の声に耳を傾けることで豊かな感性と想像力を養い、、そして生きることの意味を問うべきではないでしょうか。

闇と向き合う事で養われてきた豊かな想像力が無くなって行くのは寂しいことです。
ときどき”時の終わり”…を見つめてみると良いかもしれません。

最初の海外駐在のとき、出張者が子供たちへのおみやげにくれたビデオ「となりのととろ」で、真っ暗闇の中をお父さんの手にしがみつきながら歩く子供たちと「まっくろくろすけ」への畏怖を描いた場面があったのを思い出す。闇の中での体験を通じて、子供たちはお父さんを頼もしく思い、「まっくろくろすけ」と出会っていろんな想像をめぐらし豊かな感性を育んだのでしょう。現代の子供たちにはそんな機会はとっくに失われてしまったと思うのは悲しいことです。

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