≪ 銀行の手数料はペナルティ? | Main | Mr. Roseの光彩と青いバラ ≫

差別意識が残る企業

今朝は、職安の手続きをするために関内に行った。職探しという名目だが、サラリーマンに戻るつもりはない。ハローワーク(どうしてカタカナ英語なんでしょうね)の実態に関心があった。2.5x3センチの写真で、「上部の余白が少なすぎる」なんて馬鹿なことをいわないだろうな、あれが足りないこれがないとか重箱の隅を突っつかないだろうな・・・と思ったが、そういうことはなかった。来訪者も少なく、すぐ窓口で話ができた。休職手続きと保険給付手続きは20分くらいで終わったかな。思ったより早かった。


やっぱり四角定規な役所だと思ったのは、次回に来る日時で、こちらの都合も聞かずに勝手に決められたことである。しかも、変更はできないという。何故だと聞いても、「そういう決まりです」というだけ。もちろん対応してくれた人が偏屈で頑固なのではない。規則に忠実なだけだ。やっぱり融通が利かない役所である。アメリカ行きを延期せざるを得なくなった。税務処理が遅れて延滞金が増えるなぁ。

手続きが終わったところで、ズラリと並ぶパソコンで求人案内を見る。予想通り、旧態依然とした職業分類だった。四半世紀前のままで、どうして時代に即した分類にしないのかと思う。おそらく、変化を嫌う体質なのだろう。「チーズはどこへ消えた」の実例だろう。おまけに、画面構成やデザインの拙いこと、見にくくって仕方がない。10年前の幼稚なWebページだった。

それはさておき、求人票を二件ピックアップして相談窓口で聞いてみた。ひとつは「人材コンサルタント・専属講師」という求人だ。その場で応募が可能かどうかを職員が電話で聞いてくれた。

「応募できるそうです。できれば女性講師が欲しいといっています」

「女性講師?それだけ?人材コンサルといったっていろいろあると思うけど?」

まったく、子供の使いじゃあるまいし、と思ったね。なにがハローワークですか。ハローキティちゃんじゃないの?と、シニカルになってしまった(失礼)

官業の民間開放が叫ばれても仕方がない。もちろん数年前から、いわゆる市場化テストの対象で民間に業務移管されつつあるが。話は変わるが、某総研のコンサル部門がこの市場化テストをテーマにしていた。例によって新聞、雑誌、ネット検索での調査、調査である。どうして自分の足で回って調べないのかと思う。ハローキティ(?)にちょっと面談調査すれば実態がもっと具体的に分かるのに・・・。原史料に当たれ!ということの一事例になる。(営業研修の一事例ですよ〜)

話を戻す。それで、自分で直接相手企業の担当者に電話して聞いた。すぐ分かった。商業施設(ショッピングセンタなど)での案内嬢の接客を指導する専属講師を求めているとのこと。だから、女性講師が欲しい・・・。

なにが人材コンサルタントなんだ!と思いましたね。どうして、求人票にそのことを具体的に書かないのか?その企業の幹部は担当者任せにしているんでしょう。情けないですねぇ。しかも、最初から女性講師を雇おうとしているのに、求人票には明記しない。どうして男じゃだめなのかな?我輩は喜んで講師を努めますよ(笑) これは性差別の例ですね。

もう一つはパソコン講師(Word, Excelなどとある)・・・任せてください。我が輩は、年はとっても情報ツール利活用ではプロ級ですよ!と胸を張る・・・空威張りだったりするかも(笑) ここにも直接電話した。そうすると、のっけから、

「応募者は、20〜30代の若い人を考えているんです」

ときた。つまり年齢差別である。

「それは年齢差別ということですね。求人票にはそういうことは書いてありませんね」

「ですから、応募者は20〜30代の人が多い・・・」

「じゃ、80歳でもいいんだね」

「ですから、応募者は・・・」

あなたは、オームですか?といいそうになって止めた。
水掛け論で話にならない。
絶対に年齢差別を認めようとしないだろう。おそらく、今年10月の法改正を知っているんだろう。

ハローワーク横浜の責任者に会って話を聞いた。
「性差別や年齢差別はせずに、機会均等を遵守するように企業の求人担当を指導すべきではないか」

「そのようにしているんですが、感嘆には企業側の意識が変わらないので困っています」と困惑気味だった。以前にブログにも書いたが、日本は法的規制のない年齢差別社会であると思う。そのことを意識するひとは非常に少ないのではないか?市民革命を経験していないが故の市民意識の薄さであろう。

とまぁ、そういう顛末があったということである。40歳以上のひとで、今後何らかの理由で失業したり転職をしようとする人への情報だが、ハローワークでは自分の適性や希望にあった仕事を見つけるのは困難です。35歳以下・・・といった年齢制限もある。今後はそういう表記はしないだろうが、暗黙のうちに年齢制限が設けられている。企業側の意識の問題がある。雇う側が偉そうに「雇ってやる」といった潜在意識が日本の企業担当者にはあると思う。アメリカとまったく異なる点である。対等の立場で雇用の折衝をすることができない社会、雇用風土があると思う。

ではどうして職を探すか?管理職・技術職・専門職といわれる職種の場合で、40歳以上の人は、「人材銀行」に登録して探すほうがいいでしょう。国が運営してきたが、一部は民間に委託されつつある。難点は、数が少ないことだ。全国で12箇所しかない。うろ覚えだが、札幌、埼玉、東京、神奈川、千葉、名古屋、大阪、京都、兵庫、広島・・・などである。

神奈川人材銀行の場合は、オランダ資本のVediorという企業が労働局からの委託事業を請け負って運営している。国直轄のときに比べて職員(キャリアコンサルタント)は半分になっている。いかに人的効率がいいかを実証している。