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ウィグル族のディラクエと伝承詩

ウィグル族(Uyghur folk)に伝わる音楽 「ディラクエ」 (魂の叫び)

この旋律にふれるとき、かれらは民族が失ってしまったものを想い、心を振るわせるのだという。この曲を聴くといま自分の心にある最も悲しいことを思い出すという。親兄弟の死んだときのこと、恋人を失ったときのこと、もどる故郷がないこと…。

かつて野を駆ける遊牧騎馬民族だったかれらは、国家の滅亡とともに草原を追われ安住の地を求めてシルクロードをさまよった。苦難の歴史がディラクエには刻まれている。
文字を持たなかった遊牧騎馬民族は、民族の歴史を歌や踊りに托し語りつごうとしてきた。

受難の時代、人々が心の支えにしたという古い詩の一節…


 永遠の命を望む者は
 孤高の人となれ
 糸杉を見よ
 一人 気高く
 空に向かって葉を広げる


ウィグル族の格言

 困難を重荷とする
 英雄にとって
 それは鳥の羽の軽さに過ぎない

 裕福は誠実の中にあるみづからの生き様を言い表した古い言葉

 他人の国で王となるな
 自分の国で僕(しもべ)たれ