経済発展と世界遺産の保護は両立するか
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神聖ローマ帝国を象徴するケルン大聖堂は650年もの長きをかけて建設された。いま、そのライン川対岸に高さ103メートルの構想ビルが建設されている。経済発展を促進することを理由に、さらに数本の高層ビル建設の計画がある。第二次世界大戦の戦火をくぐって生き抜いてきたケルン大聖堂の土地景観を変えようとしている。
経済発展は、現在生きている人類の贅沢のためにある。このために、過去から未来の人類に残された遺産を壊していいのか?
世界遺産は何千年もの時の流れの中で人類が生み出してきた。現在生きている人類が壊すことは許されない。この20世紀ほど多くの世界遺産を壊した時代はない。その意味では、われわれ現代人はもっとも野蛮であると言わねばならない。
ケルン大聖堂
正式名称は、ザンクト・ペーター・ウント・マリア大聖堂。
1248年に建設がはじまったが一度途絶し、正面ファサードの塔がひとつしかない状態が続いた。近世のゴシック・リヴァイヴァルによってケルン大聖堂に注目が集まり、もうひとつの塔が建造された。1880年、完成。600年以上建設にかかった。世界で最も長い時間をかけて建造された建物のひとつであろう。
1996年、ユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録。
2004年、周辺の新建築物による景観破壊の危機にさらされ、危機遺産に指定された。