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永井荷風

永井荷風の小説はあまり読んでいない。知っている作品は、「あめりか物語」、「ふらんす物語」、そして「四畳半襖の下張り」くらいだ。最近知ったのが、「濹東綺譚」と「断腸亭日乗」だ。今年は永井荷風没後50年の節目のため、永井荷風を取り上げた番組や記事が多くなっているようだ。



あめりか物語

墨東綺譚

新版断腸亭日乗

四畳半襖の下張


    永井荷風の伝記、作品、人となりなどについてはネットにたくさんの情報がある。ウィキやブログを読んで、荷風という人物、その文学、孤独な人生が少しずつ見えてきた。昭和の時代には「偉い先生」という世間の評価は定まっていた。なにをもって「偉い先生」だったんだろう?「奇人」だったということも知っているが、なにをもって「奇人」と呼ばれたのか?そんな疑問が少しずつ氷解していった。

    この記事を書く契機となったのは6月16日放送のNHK教育テレビ「視点・論点」を見たからだ。番組は、「荷風の花園 生活の中の詩」がテーマで荷風の野小説には庭の話がよく出てくるということだ。たとえば、荷風23歳(1902)のときに発表した「地獄の花」にも、白百合が咲き乱れる庭が印象的に描かれる。

    講師は持田叙子で、永井荷風の研究家だ。独身主義者として個を貫いた荷風の生き方に魅せられた女性のようだ。独特の切り口で荷風を語る彼女のエッセーや小論の評価が高いようである。