小さな箱から抜け出よう
好奇心でGroupsを試用しています。昔、Usenetで多くの人たちから助けてもらったことを思い出しています。現実の世界で知己を得た人に教えてもらうことは当然ですが、まったく見知らぬ人にemailで質問し、教えてもらえることを知った感激は20年経ったいまも忘れられません。それ以降、プロジェクト管理から経営のあれこれの情報を得たり、質問したり、仕事の指示をしたり、個人的な悩みの相談に乗ったり、ときにはオンラインチャットで意見交換をしたり・・・その効用は絶大であった。日常会話に使うスラング交じりの英語の意味をチャットで教えてもらうこともよくあった。知らずにゲイコミュニティに紛れ込んで誘われたこともあり、今となってはなつかしい思い出です。
時間と空間を越えて、世界の人々とコミュニケートできる、そんな時代になって久しい。しかし、日本の企業人たちをみていると、昔ながらのワークスタイル、マネジメントスタイルのままで、そんなに変わっていないようである。会社の中で、自分の部門とその回りだけの世界での人との付き合いや日々の仕事に追われている・・・。行動範囲は会社と過程の間を行き来し、ときたま社外の会議やセミナに参加する・・・。まさに、狭い箱の中に入ったままの仕事人生を送っているように見える。それがその人の生き方で満足しているのであればそれでいい。
私のように日本を抜け出し海外で生活をして、さまざまな人とかかわりを持ち、必然的に日本という箱の外から、日本と日本人を見て知ったことで、これからの日本と日本人が知ったほうがよいと思うことを伝えていく義務があるのではないかと思うようになった。それがこれからの私の生き方かもしれない。もっとも、きょうの糧を求めて、家族のために一生懸命働いている人にとっては、私が言うことなど煩わしいことかもしれない。
うるさがられても私は言うだろう。箱の中からでて、getting out of the box、 広い世界を見よう。外の世界の人たちと交流しよう。そして、外の世界から抜け出た箱のありようを冷静に観察してみよう・・・。
【追記】Googleがgroups-betaをリリースしているので早速使ってみた。この記事はOut of the Boxグループのホームに書いたものである。グループ名は、2000年のベストセラー「Leadership and Self-Deception: Getting Out of the Box」から借用した。この本でいっている「箱から抜け出す」というのとは意味がちがうが、小さな会社の中から事業や経営を考えるのではなく、外の世界から見ようという思いで名づけた。