苗字の分布
友人が、「苗字の分布」を教えてくれた。「平井」というのは比較的西日本に多いとのこと。確かにわたしは奈良県出身である。分布図をみると件数では大阪が一番多く、東京、神奈川、兵庫と続く。一方、「密度」、全苗字に閉める比率では、香川、富山、岡山、山梨、京都の順になっている。
件数が東京、神奈川で多いのは地方出身者が、高度成長時代に首都圏に移動した結果ではないかと推測する。首都圏に比べて人口移動の少ない香川、富山、山梨あたりが「平井」という苗字のルーツなのかも知れない。昔おじいさんに聞いた話の記憶では、香川県の人の話が多くあった。事実父の従兄の何人かは高松在住である。また勤皇の志士のひとりに「平井」何某がいたので、意外とそのあたりにルーツがあるのかもしれない・・・などと想像をふくらました。
統計データは事実だが、それをいろんな視点でみるとこれまで考えたことのないような姿も現れてくるから面白いものである。「平井」という苗字のルーツは当然ひとつではないかもしれないが、自分の祖先のルーツの仮説を立てて、それを検証していくと新たな事実が浮かび上がってくるかもしれない。
昔ベストセラーとなったアーサーヘイリー(Alex Haley)の「ルーツ(Roots)」を思い出した。作家の祖先の歴史を尋ねた小説で、その歴史の中で脈々と伝えられる人間の尊厳と自由への戦いが誇り高く語られている。日本人はあまり意識しない「Identity」と「Dignity]そして「Freedom]を問いかけている。また読み返したい一冊である。因みに「ルーツ」は父方の、「クイーン」は母方のルーツを題材にした小説である。