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個人がインターネットTV放送を開始

インタラクティブTVというバズワードがもてはやされたのは1990年代の初めであったと記憶する。ケーブルテレビや衛星放送のような一方通行の放送が、視聴者が見たい番組を選択するだけでなくオンデマンドで特定の番組を見たいときに見れるようなテレビ放送になっていくことを予感させるものであった。しかし、日本ではインターネットもウェブもないときであり、当時の放送・通信インフラやテクノロジーでは技術的にも経済的にも所詮無理な話であった。

それから数年後にインターネットが爆発的に普及するようになり、21世紀に入るとブロードバンドの通信環境が整い、これまた爆発的に普及した。それは一般家庭にまで浸透し、いまや100Mbpsの時代である。時を同じくしてCGMが、これもまた爆発的に普及して、MySpaceやYouTubeがとくに若者世代の支持を得た。

2006年10月、GoogleがYouTubeを16 億ドルで買収した。一方、消費者社会の急速な変化を受けて、放送・通信ビジネス業界でも映像配信、オンデマンドビデオサービスが一般化した。最初は、 YahooやMSNなどポータルサイトがそうしたサービスを提供し始めたが、一昨年からはCNN、NYT、WSJ、Reuterなど多くのメディア企業がサービスを開始した。

インターネットTVである。このコトバも、インタラクティブTVより遅れること数年した頃に誕生した。そして10年の歳月が流れ、いま現実となった。二度、三度の失敗を経験しながら、テクノロジーが進歩し、新たなビジネスモデルが生まれては消えていく。そんな時代に生きているのである。

2007年は、消費者が自作ビデオを自宅から放映する時代がはじまる。どこまで、どれくらいのスピードで普及するか?MySpaceやYouTubeを体験している世代がその先導役になるだろう。そして、時間とあくなき好奇心をもっている団塊の世代もその普及を後押しすのではないか?