利用者要求の変化への対応
Free AOL: Too little, too late?
米国時間2日、AOLがAOLソフトやEMAILをブロードバンドユーザに無料提供すると、親会社のタイムワーナーが発表した。これほど長く秘密をあきらかにせず躊躇していたのは最悪であるとの論調がメディアやアナリストの間にある。
AOLの利用者であれば、AOLメンバーから逃げ出し、豊富な無料のサービスが提供されているYahooやGoogleに移行したくなる。そうした利用者の目からみれば、専門家のコメントなど聞かなくともAOLのビジネスがおかしくなっているのはわかる。しかも、それは2001年にタイムワーナーと合併して1〜2年でおかしくなった。
その頃からインターネット接続にAOLは使わず、EarthLinkやNetZero(当初は無料だった)をダイアルアップで使うようになり、BB接続に切り替えていくユーザが増えた。それは日本の急激なBB普及をみても明らかな時代の潮流であった。
そんな利用者の変化にも気づかずに、気づいていたとしても何の手も打てなかったのだろうか?1990年代後半、時代の寵児でもあったAOL(わたしには苦い事業経験だった)がその成功体験であるサブスクリプションモデルに執着しすぎたのが原因であろうか。
インターネット利用者が明らかに変わっているのに、そうしたお客の要求の変化に答えることができず経営者も変わらなかったことが業績不振を招いたのであろう。今年はじめでさえも伝統的なダイアルアップ接続の無料お試しキャンペーンをやっているAOLを知って驚いたものである。
利用者のAOL離れに歯止めがかからず、この一年で300万人のメンバーが脱退したという。ピーク時の2002年に3500万人だったメンバーが、いまや約半分の1770万人になった。たった3年半で半減する変化が現実に起こったのである。時代の潮流、それをつくる利用者の変化を読み取り、これに迅速に対応することの大切さを教えてくれる。
今回のAOLの対応は、遅すぎたと言わざるを得ない。少なくとも3年は遅い。しかも、EMAILをBBユーザに無料提供するくらいの手しか打っていない。アナリストや投資家たちはあきれている。なにもしないよりはいいのでNYSE株価は50セント上がったが、一過性のものだと思う。
タイムワーナー/AOL経営者は、「2008年から再び成長路線にもどる」といっているが、そのことを信じる人は少ないのではないか。すでにAOLの凋落は始まっていると言っても過言ではない。救いは、この一年で300万人ものメンバーを失ったにもかかわらず、オンライン広告収入が40%伸びたことである。あらたなビジネスモデルに事業を転換し競争に勝てるかが問われている。
LINK
そんな利用者の変化にも気づかずに、気づいていたとしても何の手も打てなかったのだろうか?1990年代後半、時代の寵児でもあったAOL(わたしには苦い事業経験だった)がその成功体験であるサブスクリプションモデルに執着しすぎたのが原因であろうか。
インターネット利用者が明らかに変わっているのに、そうしたお客の要求の変化に答えることができず経営者も変わらなかったことが業績不振を招いたのであろう。今年はじめでさえも伝統的なダイアルアップ接続の無料お試しキャンペーンをやっているAOLを知って驚いたものである。
利用者のAOL離れに歯止めがかからず、この一年で300万人のメンバーが脱退したという。ピーク時の2002年に3500万人だったメンバーが、いまや約半分の1770万人になった。たった3年半で半減する変化が現実に起こったのである。時代の潮流、それをつくる利用者の変化を読み取り、これに迅速に対応することの大切さを教えてくれる。
今回のAOLの対応は、遅すぎたと言わざるを得ない。少なくとも3年は遅い。しかも、EMAILをBBユーザに無料提供するくらいの手しか打っていない。アナリストや投資家たちはあきれている。なにもしないよりはいいのでNYSE株価は50セント上がったが、一過性のものだと思う。
タイムワーナー/AOL経営者は、「2008年から再び成長路線にもどる」といっているが、そのことを信じる人は少ないのではないか。すでにAOLの凋落は始まっていると言っても過言ではない。救いは、この一年で300万人ものメンバーを失ったにもかかわらず、オンライン広告収入が40%伸びたことである。あらたなビジネスモデルに事業を転換し競争に勝てるかが問われている。
LINK