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海外旅行者数と訪日外国人

海外への旅を始めた頃は海外旅行客がすくなく、航空各社はとくにビジネス客にはじつに丁重だった。それもそのはずである、海外旅行者数は1975年に全国で16万人だった。それが、2000年には約1782万人を記録した。四半世紀で100倍以上になったというわけである。
日本人海外旅行者数の推移
世界観光機関の資料によると、外国旅行者数の国際ランキングでは一位がドイツで、イギリス、アメリカ、ポーランド、チェコとつづき、日本は第13位である。ドイツ(7300万人)、イギリス(5900万人)は欧州内での移動は日本国内での移動のようなものであるから、外国旅行は多くなるのはとうぜんである。そのことを考慮し総人口や国民平均所得を考えると、日本はもっと外国旅行者の数が増えてもおかしくない。

旅行者のデモグラフィクスは、1990年代半ばのとき20代女性の割合が約40%と非常に高かった。現在では、その比率は25%くらいに縮小し、30代女性と50代の男女の割合が増えた。10年前に海外旅行熱に慣れた女性層と人口比率が多く時間と生活の余裕がでてきた団塊世代が増えているのは自然である。これからもこの世代が旅行業者の大きなターゲットになるのは間違いないだろう。

逆に日本を訪れる外国人旅行者はどれくらいだろう。政府統計によると、2004年の外国人入国者数は約675万人(法務省「出入国管理」)で、旅行客数は約614万人(国土交通省「観光白書」)だそうである。

訪日外国人旅行者数の推移(国土交通省『観光白書』)
国別訪日外国人数の割合(同上)

世界観光機関(WTO)によると、2003年に各国が受け入れた外国人旅行者総数は6億9,073万人(対前年比2.7%増)、各国旅行収入総計は5,232億ドル(対前年比8.9%増)である。日本訪問者はたったの1%にも満たない。モノの貿易大国、日本は観光というサービスでは大きな出超になっている。アジア各国の「外国人旅行者受け入れランク」では、中国、香港、マレーシア、タイとつづき、日本は第七位(2003年)である。

自然の美しさと歴史・伝統・文化で、世界の国々と比較しても遜色のない、この日本の財産が知られていないということか。それとも、その価値を知り日本を訪れたいがなにかが障壁になっているということか。先進諸国のあいだでは後者の影響が大きいのかもしれない。その原因がなにでどう改善するのかは、その道の専門家に任せる。



もちろん、「観光立国」を目指す政府もその実現に向け、日本を訪れる外国人旅行者を2010年までに倍増させて1,000万人にするという目標を掲げ、2003年度から、官民一体となって訪日促進キャンペーンであるビジット・ジャパン・キャンペーンを実施している。

2005年度は「愛知万博」効果で100万に増え、700万になったというがあと4年でプラス300万人増はどうやって生み出されるのか興味がある。

訪日外国人で一番多いのが韓国、台湾で、あわせて全体の43%を占めている。訪問した外国人の半数以上が東京も訪問しているのは当然として、その「訪問の動機」である。これは独立行政法人国際観光振興機構の調査結果であるが、多いのは「日本の生活の見聞・体験」「日本食」「買い物」という動機が上位を占めている。「美しい自然」「伝統芸能」とか「歴史・文化」という動機がすくないのが残念である。

東京に代表される「都市」が日本の顔になってしまったのだろうか?

Link 国土交通省「観光白書」、法務省「出入国管理」、独立行政法人国際観光振興機構訪日外客数・出国日本人数(2005年確定値 ) (193K)

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