ウィグル族(Uyghur folk)に伝わる音楽 「ディラクエ」 (魂の叫び)
この旋律にふれるとき、かれらは民族が失ってしまったものを想い、心を振るわせるのだという。この曲を聴くといま自分の心にある最も悲しいことを思い出すという。親兄弟の死んだときのこと、恋人を失ったときのこと、もどる故郷がないこと…。
かつて野を駆ける遊牧騎馬民族だったかれらは、国家の滅亡とともに草原を追われ安住の地を求めてシルクロードをさまよった。苦難の歴史がディラクエには刻まれている。
文字を持たなかった遊牧騎馬民族は、民族の歴史を歌や踊りに托し語りつごうとしてきた。
受難の時代、人々が心の支えにしたという古い詩の一節…